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この特集は、相馬直樹によるサッカーの特集です。日本代表DFとしても活躍した相馬氏ならではの視点、切り口によるW杯の試合をはじめ、国内Jリーグなど国内外の試合レポート、見どころなどをお届けします。
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2006年12月19日
勝負の“あや” ~クラブワールドカップ決勝 インテルナシオナルvsバルサ~クラブワールドカップ決勝SCインテルナシオナル(BRA) vs FCバルセロナ(ESP)を観戦してきたので、そのレポートをしよう。まさかバルサが負けるとは誰も思ってなかった試合であったが、そういうときにこそ落とし穴が隠れているものであるということを思い知らされる結果、そして内容がそこにはあった。 バルサのスタメンは準決勝と全く同じ布陣。おなじみの4-3-3システムで、現状でのベストを組んでこの試合に臨んできた。対するインテルナシオナルは4-4-2の布陣。前線をイアルレイ(No.10)と17歳のアレシャンドレ(No.11)の2トップに任せてきた。 慌てたバルサ 試合が始まると、バルサはあまりにもうまくいかないことに焦ってしまったのではないだろうか。インテルナシオナルの守備ラインはマンツーマンDFを敷き、バルサ前線の3人をタイトにマークする。ここまではいつも通りだからそれほど困らなかっただろう。だが、インテルナシオナルは中盤でも厳しいマンマークを敢行してきたのだった。完全なマンツーマンではないものの、4人の中盤が守備への意識を高くして、MFデコ(No.20)、MFイニエスタ(No.24)にまで自由にボールを触らせなかったのだった。 さらにインテルナシオナルの攻撃への意識が高かったことも予想外だったのではないか。2トップ+トップ下のフェルナンドン(No.9)が攻めるのはともかく、中盤のアレックス(No.7)、モンテロイ(No.5)に加え、両SBセアラー(No.2)とカルドゾ(No.15)まで積極的に出てくるなど、これだけ試合開始から攻撃に出てくることは予想できていなかったに違いない。序盤の10分ほどまでに3本のシュートを放つなど、明らかにインテルナシオナルのペースで進んでいった。 しかし、徐々に相手の出方に対応してバルサがリズムを取り戻す。まずは、10分過ぎからテクニカルエリアに立ったライカールト監督からの守備の指示で、インテルナシオナルの攻撃の基点を抑えにかかる。2トップのイアルレイ、アレシャンドレの2人に対してのマークをはっきりさせて厳しくし、MFモッタ(No.3)を含めた3バックのような形で相手2トップを自由にさせないように切り替えてきた。 また両SBザンブロッタ(No.11)とファン・ブロンクホルスト(No.12)を起点にした攻めも効果的であった。インテルナシオナルの中盤がダイヤモンド型の3ボランチということで、どうしてもバルサのSBへのプレッシャーが甘くなる点をうまく突いてきた。2人が飛び出す、またはフリーでボールを運ぶことで、相手の中盤のマークのズレを誘ったり、相手の2トップを守備に回させることで敵の攻撃力を殺ぐ狙いがあった。 ザンブロッタ 特に右のザンブロッタの馬力のある攻撃参加は効果的だった。インテルナシオナル左MFアレックスがそれほど守備のうまい選手でないこともあり、そこでイニシアチブを握ることができた。10分からの5分間で3本もクロスを入れるなど、右サイドを突破することでリズムをチームにもたらした。 そうした中、バルサが何度かボックス内に侵入する場面を作り始める。インテルナシオナルのマンツーマンに対し、前線が踏ん張って高い位置でキープして、味方にスペースを与えることで、ボールが動くようになっていく。何度かグジョンセンのキープから中央へサポートに入ったロナウジーニョがシュートという形が見られるようになっていった。 徐々に押し込まれ始めたインテルナシオナルだが、最終ラインがよく踏ん張り、ゴールを割らせない。シュートの瞬間には身体を張り、マンツーマンであるが、突破された時には自分のマークを捨ててカバーする対応力など、ゴール前での最後の判断が素晴らしかった。特にスイーパー的なファビアーノ・エレル(No.4)のカバーリングのスピード、判断が素晴らしく、決定的な形にまで持ち込ませなかった。 ここでバルサに大きなアクシデントが起こる。ザンブロッタが前半終了間際に内転筋を負傷し、後半開始からDFベレッチ(No.2)と交代することになってしまったのだ。対するインテルナシオナルは左MFをアレックスからバルガス(No.17)に交代し、対策を立ててきた。前半押し込んでいた右サイドを後半は崩せなかったことを考えると、このザンブロッタの負傷交代はバルサにとって大きな痛手となってしまった。 シャビの投入で動いたゲーム
後半に入ると、サイドからの崩しが効果的でなくなり、中央でも動きが少なくなって攻撃の迫力不足になっていたバルサは、モッタとシャビ(No.6)を交代して状況の打開を図る。準決勝でそうだったように、フリーランの出来るMFシャビを投入して攻撃の厚みを増すことで、ライカールト監督は勝負に出たのだろう。 そのシャビにビッグチャンスが訪れる。73分にボックス付近右サイドからの横パスを、デコが1タッチのループパスでDFラインの背後に落とす。それは2列目から走り込んだシャビにピッタリのパス。しかしシャビのシュートはGKのナイスセーブで阻まれてしまった。このシーンがこの日一番の崩しであっただけに、何としても決めておきたいところであった。そして、この逸機が最後には大きくのしかかってしまったのだ。 その8分後の81分にインテルナシオナルにゴールが生まれる。カウンターの形からイアルレイがプジョルを鋭いターンで外してゴールへ突進。そこをオーバーラップしたMFアドリアーノ(No.16)にパスが通り、GKバルデス(No.1)との1対1を落ち着いて決めて、貴重な決勝点を挙げたのだ。 この得点は右サイドからセンターサークル付近に浮き球の楔が入ったところに、FWルイス・アドリアーノ(No.18)がマルケスに競り勝ち落としたボールからチャンスが生まれた。このとき、もしもモッタがまだピッチにいたら、防げた可能性があったのではと思うのは僕だけだろうか。結果論でしかないが、モッタならばマルケスはマークを受け渡せていて、プジョルはもっと思い切りイアルレイに取りにいけただろう。最後の3vs2の局面での2人が、プジョルとベレッチでなく、プジョルとマルケスなら守れたのではないだろうかと思ってしまうのだ。 シャビの交代でワンボランチの位置にはイニエスタが入っていたが、それまで彼は前目のポジションでよく走り、ドリブルも含めいい仕事をしていた。しかしポジションが下がったことで、怖さがなくなり、さらにはこの失点のシーンのように守備面で働けなかったところがあったかもしれない。とはいえ、これは何度も言うが、結果論でしかない。シャビがあの絶好のチャンスで決めていたら、最高の采配であったはずだから、勝負の“あや”とは恐ろしいものである。 さてここでイアルレイの素晴らしい働きについても触れないわけにはいかない。インテルナシオナルの小さな10番は、この大舞台で最高の仕事をした。決勝点のシーンでのドリブル、ラストパスの素晴らしさは言うまでもないが、その他の場面でもバルサDF陣をひとりでキリキリ舞いにしていた印象が強い。スピードがあるだけでなく、急激なストップが素晴らしく、ターンが本当にスムーズであった。0から100のスピードになる、100から0に落とすという緩急の変化が本当に際立っていた。その上でボールを身体から離さずに運ぶ技術もあるわけだから、プジョルもマルケスも対応するのに大変だったはずだ。 「何が何でも」 準決勝を圧勝して意気揚々と決勝に臨んできたバルサであったが、この日はなかなか“らしさ”を見ることが出来なかった。時折、厳しいプレッシャーの中でも卓越したテクニックを発揮したり、序盤の劣勢をすぐに盛り返す対応力など、さすがと思わせる面は見せてくれたが、厳しいマンマークと慣れないドライなピッチコンディションでボールの流れが滞りがちになり、ボールを追い越す人の動きも少なくなってしまっていた。90分間通して自分たちのリズムになりきった時間は少なかったのではないだろうか。 それもインテルナシオナルの素晴らしい戦い振りがあったからに他ならない。特に、ファイティングスピリット、このタイトルをどうしても獲りたいという強い気持ちを90分間途切れることなく見せ続けたことがこの結果につながったと言ってもいいだろう。それと同じぐらいの「何が何でも」という姿勢をバルサが見せたのは失点してしまってから。バルサがなりふり構わず戦ったのはわずか10分ほどしかなかったわけだ。結局、「戦う姿勢」のより強い方に勝利の女神は微笑んだのだった。
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ブラジルって国はすごいね。 世界最高選手のロナウジーニョが欧州でプレーしているように、世界のトッププレイヤーは必ずバルセロナのような欧州クラブに集まる仕組みになっている。 つまりブラジルのような... 続きを読む 受信: 2006/12/21 2:43:54
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