Go Top
この特集について
Sports@nifty > スポーツレポート > サッカー特集by相馬直樹 > 3人の優れた中盤と1人のスーパープレーヤー ~バルサvsクラブ・アメリカ戦~
この特集は、相馬直樹によるサッカーの特集です。日本代表DFとしても活躍した相馬氏ならではの視点、切り口によるW杯の試合をはじめ、国内Jリーグなど国内外の試合レポート、見どころなどをお届けします。
この特集は携帯サイトでもご覧いただけます。
モバイル版 Sports@nifty
プロフィール
オフィシャルサイト
関連リンク
ココログ






ココログ: blogサービス
「サッカー特集by相馬直樹」は @niftyのウェブログ(blog)サービス「ココログ」で運営しています。あなたもココログ始めてみませんか?ココログ(フリー)は、だれでも無料でご利用いただけます。
ココログって何?
ココログ使い方ガイド

サッカー特集by相馬直樹

3人の優れた中盤と1人のスーパープレーヤー ~バルサvsクラブ・アメリカ戦~

 昨日(14日)のクラブワールドカップ準決勝、クラブ・アメリカ(Club America=MEXvsFCバルセロナ(FC Barcelona=ESP)の試合を解説して来た。バルサがまだ獲ったことのないクラブ世界一の称号をなんとしても獲りたいと、真剣にこの大会に臨んできたことが分かるゲームであった。

 バルサはこの日、GKバルデス(No.1)、4バックに右からザンブロッタ(No.11)、マルケス(No.4)、プジョル(No.5)、ファン・ブロンクホルスト(No.12)。中盤の底には体調を崩したエヂミウソン(No.15)に代わりモッタ(No.3)が、リンクマンとしてデコ(No.20)とイニエスタ(No.24)が入る。前線は右にジュリ(No.8)、中央にグジョンセン(No.7)、そしていつもの左の位置にロナウジーニョ(No.10)が入った。対するクラブ・アメリカは一回戦(全北現代戦)で採用した4-4-3というよりも、この日は4-5-1といったシステムで臨んできた。クラウディオ・ロペス(No.7)を最前線に置いてきたが、注目のブランコ(No.10)は守備的な戦術のためからかベンチスタートとなった。

 キックオフ時には、開始1時間ほど前から降り始めた雨が本降りになり、両チームともその雨の影響、さらには少し固めの日本のピッチにてこずったようだ。バルサは序盤から速いパス回しを披露するが、スピードを上げようとした局面でピッチに足を取られたり、ミスが出たりというところが見られた。

 クラブ・アメリカは集中した守備からボールを奪うと前線のクラウディオ・ロペスの裏を狙う動きを積極的に使っていく。この狙いは本当に徹底されており、十分危険な香りを漂わせていた。そうした中で、中央でクラウディオ・ロペスがCBプジョル、マルケスの裏を取ってGKバルデスと交錯するという、両チーム通じて最初のビッグチャンスが生まれた。

ただこのシーンがクラブ・アメリカ側に転ばなかったことは、ゲーム全体の流れの中で非常に大きかったのではないかと思う。クラブ・アメリカにしてみれば、バルサとの実力差を認めたうえで、堅守速攻のプランでこのゲームに臨んできたはず。それはチームの中心、ブランコをベンチに置いたことからもうかがえる。ピッチがスリッピーだったことで球足が長くなり、クラウディオ・ロペスがシュートまで持ち込めなかった面、そこで交錯したシーンでレフェリーがPKの笛を吹かなかった面と、ほんのちょっとであるが運が足りなかったようだ。バルサがリズムを掴めていなかったあの時間帯に先制点を取れていたら、全く違ったゲームになっていたのではないかと思わせるシーンであった。

「たられば」を言っていたらキリがないが、こうした一発勝負での先制点の重みというものは非常に大きいものである。結局そのすぐあとにバルサが先制したことを考えても、あそこでゲームの流れを引き寄せられなかったことが、最後まで大きくクラブ・アメリカにはのしかかってしまった。

そのバルサの先制点は11分に生まれた。デコ-ロナウジーニョ-イニエスタ-グジョンセンとパーフェクトなコンビネーションで中央を崩す。この点は、それまでいつも通り左サイドで起点作りにいそしんでいたロナウジーニョが突如中央に入ってきたことが、崩しの起点になったのではないかと思う。

そこまで相手右SBカストロ(No.3)の厳しいマークの前になかなか前を向かせてもらえず、いい形を作れていなかったロナウジーニョだったが、中央付近のチェックが甘いと見るや、マークの受け渡しをしづらいポジションをうまく取りながら中央に入り込んでデコからのパスを受けたのだった。その動きを逃さず見ていたデコもさすがで、さらには相手ボランチとCBとのスペースにフリーランニングをしていたイニエスタの動き、そのタイミングを逃さないロナウジーニョの1タッチでのヒールパス、体勢を若干崩しながらも右足で流し込んだグジョンセンと素晴らしいプレーがいくつも重なりあって生まれた得点だった。

その後30分には、デコの鋭い左CKからDFマルケスがヘディングで合わせ、あっという間に2-0としてしまい、ゲームを決めてしまった。クラブ・アメリカもクラウディオ・ロペスの飛び出しを生かした速攻や、メキシコのチームらしいボールポゼッションから特に右サイドを中心に崩しにかかるなど、何度かゴール近くまで行くのだが、リズムを取り返せないまま前半が終了した。

後半に入るとクラブ・アメリカのベンチが動く。後半開始からブランコを投入し、4-3-3に近い形で攻撃的に布陣をシフトさせてきた。またMFのペレイラ(No.11)も積極的にゴール前まで進出するなど積極的な姿勢を見せる。対するバルサは来日間もないという状況でのコンディション不良からか、徐々に中盤が空き始めていた。その中で、前線に入ったクラウディオ・ロペスのゴールへ向かう動き、ブランコのゲームを作る力、左サイドで積極的にドリブルで仕掛けるクエバス(No.23)と、この3人の動きからクラブ・アメリカに点が生まれるのではないかという期待を抱かせる時間に入っていた。

ここでフランク・ライカールト監督はモッタとシャビ(No.6)を交代させる。このあたりがバルサらしさだろうか。リズムが取れないときに守れる選手を入れるのでなく、攻めれる、主導権を握れる選手を投入するということである。シャビ、デコ、イニエスタという機動力、攻撃力、構成力、そしてサッカーセンスとすべてに優れた3人で中盤を組ませることで、完全に中盤を支配し返してしまったのだ。この交代が終盤での2得点を生む流れにつながっているのは間違いないところだろう。

この3人はまさにバルサの心臓であり、バルサを支える屋台骨でもある。4得点すべてに絡んだデコはもちろんのことだが、3人の中盤での圧倒的なキープ力がチームを支えている。この日は全体的にコンディション不良もあり運動量は少なかったのだが、それでもボールを回すとき、ボールを持っている選手に対して、必ず3つ~4つのパスコースが確保されている。次にするべきことを常に考えながらそのパスコースに顔を出し続けるのが、デコ、シャビ、イニエスタの3人なのである。

最後に、ロナウジーニョはやはり別格であった。途中から相手のプレッシャーも甘くなってしまった面はある。3人の中盤のようにいつも顔を出す仕事をするわけではない。しかし、ボールが入ったときの貫禄、そしてそのプレーそのものは、常人にはマネできるような類のものではない。最後にバーに当たったループシュートなどは、そのシュート自体もすごいが、CFでない選手がワントップを張って、相手3人ぐらいのマークを苦にせず外しながら、あのイメージを持つ余裕まであるというのは驚き以外の何物でもない。

時差ボケも取れてさらにコンディションの上がるであろう日曜日のSCインテルナシオナル(SC Internacional=BRA)との決勝では、どんなプレーを見せてくれるのか。クラブ・アメリカ以上に守備も統率され、若く勢いのある攻撃陣を抱えるインテルナシオナルは、きっと堅守速攻のプランで臨んで来るであろう。五分の打ち合いであればバルサの中盤のクオリティの高さが目立つことだろう。だが、引いた相手を崩すとなると、ゴール前での狭いゾーンでどれだけ仕事が出来るかということが鍵を握る。そういった意味では、グジョンセンとロナウジーニョの出来が勝敗を左右するのではないだろうかと思っている。


| 固定リンク | トラックバック (3)
トラックバック
※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのトラックバックを防ぐために、投稿された全てのトラックバックは一時的に保留されますのでご了承ください。
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/177671/13081568
サッカーについて色々と語るブログです。 【サッカーについて色々と語るブログ 〜今日からみんなフーリガン〜】
サッカーって素敵やん?現在・過去・未来のサッカー選手やサッカー事情を熱く語ります! 続きを読む
受信: 2006/12/16 4:37:20
『こんばんは、これがバルサです。』FCバルセロナ×クラブアメリカ 【おもしろサッカーアルゼンチン】
◆情報収集に便利なサッカーリンク集はここ! ●携帯でのグルメ・サッカー情報はここ ? TOYOTA プレゼンツ FIFA クラブワールドカップ ジャパン 2006 <12月14日(木)19:20 / 会場:横浜国際総合競技場> FCバルセロナ4-0クラブアメリカ ◆「現在、世界一... 続きを読む
受信: 2006/12/16 19:41:47
バルサ惜敗 クラブW杯 インテルナシオナルが世界一【ナイキ サッカースパイク・・・】 【ナイキ サッカースパイク@レビューどっとコム】
 こんにちは!ナイキ サッカースパイク@レビューどっとコム管理人のNIKE@BAKAです!サッカーの6大陸連盟のクラブ王者が世界一を争うトヨタ・クラブワールドカップ(W杯)最終日は17日、横浜・日産スタジアムに約6万70... 続きを読む
受信: 2006/12/18 8:21:14